スプーンやフォークの練習はいつから

スプーンやフォークの練習を開始するなら、離乳完了期ごろからが、もっとも適しています。個人差がありますので、1歳から1歳半ぐらいの間に始めましょう。

赤ちゃん用のスプーンとフォークを、用意したほうがいいです。大人用に作られたものですと、すくえる量が多かったり、持ち手の部分がうまく握れなかったりしますので、持ちやすそうなものを選びましょう。

手づかみから箸まで

日本人は世界的にみて、手先が器用だといわれています。その器用さは、日常的に箸を使うことからきているようです。その箸使いも、実は離乳期のスプーンが関係しています。つかむという動作がスムーズにできる、それが箸使いにも影響していくのです。

手づかみ食べ

スプーンやフォークを練習する前に、十分に手づかみ食べをすることが重要です。

目の前にあるごはん、おいしそう、食べたい、そう思ったら自然と手が出てくるでしょう。1歳から1歳半という離乳完了期となれば、食べられる食材はたくさんあります。自分でつかみ、口に持っていけるものを用意しましょう。

この頃になると、毎回食事のたびに、床が汚れる覚悟をしなければいけません。レジャーシートや新聞などを敷いて、赤ちゃんが手づかみに失敗して、食べ物を落としてもいいようにしておきます。

汚れることが気になって、お母さんがつい手を出してしまうと、せっかくの食べたい意欲がしぼんでしまいます。思うようにならないと、しまいには赤ちゃんのほうがかんしゃくを起こしてしまうでしょう。

スプーンでの練習

赤ちゃんはすでにスプーンになれています。お母さんがおいしいごはんをのせてくれるもの、大人の人がごはんのときに使っているもの、そう認識していますから、スプーンを手にしたら、それらしく自分の口元に持っていこうとします。

けれど口に運ぶのが大変です。食べ物をすくう、口に持っていく、食べる、この一連の動作が、最初はうまくできません。赤ちゃんの横から手を伸ばしていって、それとなくスプーンが口元に当たるように、手助けしてあげましょう。

最初はおかゆやポタージュなどの、少し粘りけのあるものがいいです。失敗続きだと、赤ちゃんは汚れて大変なことになりますが、スプーンですくえたという満足感はあるでしょう。

フォークの練習

一番最初は、刺すのも楽で、しかも落ちにくいものにしましょう。バナナなどが最適です。

フォークは刺さるのがおもしろいのか、遊び感覚で練習してくれます。何回かやってみて、うまくいかないと手づかみに戻ってしまいますが、あまり気にせず好きなようにさせてあげましょう。

持ち方

個人差はありますが、スプーンやフォークをきちんと扱えるのは、2歳過ぎと思っていてください。

最初はただぎゅっと握っているだけです。すくうという動作には、スプーンをどういう角度で持つかは、毎回、ていねいに教えてあげてください。そうしないとこぼしてばかりになります。

上から握ることでスタートしますが、なれてきたら下から握る方法も試していきます。上からでも下からでも握れるようになったら、3歳過ぎにはえんぴつ持ちができるように指導していきましょう。

このえんぴつ持ちは、文字どおりえんぴつを持つときに使います。それだけでなく、お箸の持ち方の基本ともなるのです。

スプーンがうまく使えなくてかんしゃくを起こしたら

スプーンがうまく使えずにかんしゃくを起こしたら、落ち着くのを待ちましょう。ずっと泣きわめいているなら、1度食事を終わらせたほうがいいです。

かんしゃくは誰でも起こしますが、程度の差はかなりあります。なんでも自分でやりたがる、自我のはっきりした子は、特に激しいようです。

それも個性ですから、お母さんはかんしゃくにかんしゃくで対抗せず、「はいはい、落ち着いたらまた続きを食べようね」と、笑ってやり過ごすのが一番です。

スプーンの形もいろいろ

お持ちのスプーンは、使いやすいものか確かめましょう。もしかしたら赤ちゃんにとって、使いにくいものかもしれません。いくつかタイプがありますから、あまり失敗が続くようなら、別のタイプを試してみましょう。

お母さんが食べさせてあげるのに使うスプーンと、自分で食べるスプーンは、少し違っていると思います。お母さんのは、赤ちゃんの口に合わせた小さなものでしょう。1度に大量に食べることのない赤ちゃんには、ちょうどいい大きさです。

ところが自分で使うとなると、あまり小さいスプーンでは、ほとんどすくえず、苛立つばかりになってしまいます。すくいやすい大きさで、口までたどり着くあいだに、すべてが滑り落ちないようなスプーンを選んであげましょう。

すくいやすいものを与える工夫を

スプーンですくおうとしているのは、どんなものかによって、成功率は違ってきます。みそ汁やスープだったら、すぐにこぼれてしまって、なかなかお口にたどりつけません。それではかんしゃくも起こります。

練習用にいい食べ物は、プリン、ヨーグルト、豆腐、ゼリーなどの、形があって、それを崩してすくい取る楽しみのあるものです。

月齢が進んでいるなら、アイスクリームやシャーベットも、練習するのに向いています。何より赤ちゃんの好きなものですから、食べたくてがんばるのです。手でつかもうとすると冷たいので、スプーンですくうしかないというのも、意欲につながるのかもしれません。

何度かすくってみて、失敗しながらも少しは口に入ったら、いっしょに喜んであげましょう。その後食べないで、ただぐちゃぐちゃかき回すだけになったら、さっさと片付けます。

それでまたかんしゃくを起こすかもしれませんが、赤ちゃんは学んでいるところです。食べ物で遊んだら、片付けられてしまう。おいしいゼリーもなくなってしまうと思ったら、かんしゃくや遊び食べが、あまり意味のないものだと覚えます。

かんしゃくは自我が芽生えた証

スプーンですくって、口に運んで食べるだけ。こんな簡単なことが、どうして自分はできないんだろうと、赤ちゃんなりに思っているのです。

かんしゃくは、できないと叫びたいけれど、叫ぶ言葉を口にできない赤ちゃんの必死の叫びなのです。

お母さんからしてみたら、これまでは椅子に座って、おりこうに食べてくれていたのに、どうしてしまったんだろうと、苛立つことでしょう。

かんしゃくを起こしやすい時期は、1年以上続きます。自我が育っているんだと、余裕のある態度で見守ってあげてください。

ただきちんと教えておきたいことは、食べ物を投げたり、遊びに使用してはいけないということです。どんなにかんしゃくを起こそうと、食べ物を粗末にしはじめたら、すぐに片付けてしまいましょう。

市販のだしや料理ソースを使ってよいのか

大人の調理には普通に使っている調味料ですが、離乳中期までは、市販の『だし』は使わないほうがいいです。『だし』となっていますが、実はかなり塩分を含んでいます。離乳食には塩を使わないので 、市販の調味料はできるだけ使わないでください。

離乳後期となれば、少しずつ調味料も使っていきます。それでも塩分の多い調味料は、大人と同じようには使わないようにしてください。なぜなら過剰な塩分が入ってくると、腎臓で処理しようとしますが、赤ちゃんの腎臓には負担が大きすぎるのです。

料理ソースも同じように、塩分が多く含まれています。また手軽にできる調理調味料は、オイスターソースなどの調味料が加えられているものもあるので、離乳が完了するまではおすすめしません。

離乳食初期は食材の味だけ

カボチャやサツマイモ、リンゴの甘みをまず覚えさせましょう。味なしのおかゆだと、おいしくないのではないかと思われるでしょうが、赤ちゃんの舌には十分お米の味がしています。

離乳中期は出汁の味

お味噌汁を作るときに、出汁を煮干しや鰹節でとっているようでしたら、それをそのまま離乳食に使えます。

市販の『だし』を使われているようでしたら、赤ちゃんのために、天然出汁にしてみましょう。

昆布や鰹節を揃えるのは大変です。そんな面倒をしなくても、麦茶パックのようになっている、出汁パックが売られています。小鍋に湯を沸かし、一煮立ちさせれば、それだけでいいお出汁が出ますから、簡単に調理に使えるでしょう。

昆布にはグルタミン酸、鰹節にはイノシン酸・グルタミン酸ペプチドと、それぞれに旨味成分があります。化学調味料は、この旨味成分となる薬品と、鰹節の粉末、食塩を混ぜ合わせて作ります。

離乳食後の食生活で、市販の化学だしを使用されるのなら、離乳食だけ天然出汁に拘ることもないと思われるかもしれません。けれど舌の機能がまだ未熟で、これからいろいろ覚えていく時期だからこそ、本物を味わわせてあげたいものです。

出汁は冷凍保存ができます。1度とったら、アイスキューブで凍らせ、袋に入れておけばいつでも使えます。野菜や高野豆腐の煮物、うどんつゆなどにぜひ利用してください。

離乳後期に広がる調味料の世界

味噌、醤油、ケチャップ、マヨネーズ(卵アレルギーがない子のみ)が使えるようになります。だからといって、いきなり大人の味付けにはしないでください。

薄味でと提唱されるのは、赤ちゃんの腎機能を思ってなのです。味がないと可哀想と思うのは大人の勘違いで、薄味でも赤ちゃんはおいしく感じられるものです。

コンソメスープの素も使いたいでしょうが、やはり塩分が多めです。赤ちゃん用のものを使うか、鶏ガラからチキンスープをとりましょう。

チキンスープは大きめのお鍋に鶏ガラ1羽分を入れ、ネギの緑の部分やキャベツの芯、セロリなどと一緒に煮込みます。丁寧にアクをとってから利用しましょう。チキンスープは冷凍もできますし、大人の料理にもいろいろと使えます。

幼児期になっても薄味で育てたい

以前に比べ、ファストフード店や惣菜店でも、塩分の使用を控えるようになってきました。塩分の過剰摂取に害があることは、すでに知られたことです。

子供の頃から濃い味になれてしまうと、大人になっても濃い味でないと満足しないようになってしまいます。そうならないためにも、食事のスタートである離乳期は、できるだけ塩分を使わずに調理してください。