口に入れたまま飲み込まないのは、いつまでもその味を、味わっていたいのでしょうか。食事を楽しんでくれているのは嬉しいですが、お母さんとしては困ります。

「モグモグ、カミカミ、ゴックン」と声をかけ、飲み込んで終わらせるように促しましょう。そして飲み込みたくないほど好きなものをもう1つ、赤ちゃんに見せます。

「ほら、こっちもあるからね」と、誘ってみてください。次が欲しくて、飲み込んでくれるかもしれません。

離乳のもう1つの課題、咀嚼(そしゃく)から嚥下(えんげ)

離乳食の目的は、新しい食べ物の味を覚えることですが、それと同時に、噛む、飲み込むの練習でもあります。

赤ちゃんは生まれたときから、乳首をくわえてお乳を吸い取ることができます。その動作とは違う、口の中に入ってきた液体とは違うものを、喉奥に送って飲み込むことを学ぶのが、離乳食なのです。

最初のどろどろしたおかゆは、液体に近いので飲み込むことがどうにかできますが、固形が入ると難しくなってきます。舌でつぶす、歯茎でつぶすという、新しい動きが必要になるのです。

幼児になれば、こうするのよとお母さんが教えてあげれば、その動作をまねたりできるでしょう。ですが赤ちゃんでは、どう説明してもわかるはずがありません。

口の中に入ってきた食べ物を、どうにかして飲み込もうと、赤ちゃん自ら動いてくれないといけないのです。

うまく飲み込めないと、最初のうちはダラダラと口の端から出してしまいます。そのうちに出さなくなったと思ったら、ゆっくりと舌を動かし、喉奥に食べ物を届けて、飲み込むことに成功したのです。

なんでも飲み込む時期

なんでも口に入れ、なんでも飲み込んでしまう時期があります。赤ちゃんには、食べ物とそれ以外のものの区別がつかないからです。

食事は飲み込む。おもちゃは飲み込まない。食事には味がある。おもちゃは味がしない。離乳食と遊びを、交互に繰り返していくうちに赤ちゃんは学んでいきます。

野菜など少し硬いと吐き出すくせに、どうして硬いだけのおもちゃを飲み込んでしまうのか、そこが赤ちゃんの不思議なところでしょう。飲み込む能力は育っているのに、飲み込んでほしいものを吐き出してしまうのですから。

この時期は本当に注意してください。食べ物とそうでないものの区別があいまいで、食べ物を包んでいたラップやビニールを、匂いにつられて飲み込んでしまうことがあります。呼吸困難のもととなりますから、そうならないためにも包装していたビニールなどは、すぐに捨てましょう。

おいしいものが好きなもの

赤ちゃんにとって、とてもおいしいものが口に入ってきます。これはおもちゃではない、飲み込むのだとわかっていても、もう少し口の中に入れておきたくなってしまいます。

おもちゃだったら、ずっと舐めていてもいいのです。だったらこのおいしいものも、おもちゃみたいにいつまでも口の中に入れておこうと思うのでしょうか。

飲み込んだらなくなるということが、もうわかっているのです。もっと味わいたい、そんな思いが育っているからこその、飲み込み拒否なのでしょう。

口に入ったものを取り出したりせずに、もっとおいしいものがあると誘って、赤ちゃんが自ら飲み込むようにしてあげてください。