離乳食が完了してから、すぐに大人と同じ食事を摂るのではなく、幼児食と呼ばれる食事に切り替える必要があります。

幼児食は1歳~5歳の子供の健康な発達を促すために大切な食事です。

離乳食完了から大人と同じ食事に切り替える間の食事である幼児食について、必要な理由があります。

幼児食は噛む力と脳の発達にも影響する

子供は大人に比べて歯やあごが未発達です。

噛む力が弱く、大人と同じ硬さ、大きさの食べ物を食べるのには適していません。

無理に硬いもの、大きいものを食べると噛む力が育ちにくく、よく噛まずに飲み込むような悪い習慣がついてしまう可能性もあります。

よく噛んで食べることで消化吸収がよくなるほか、脳への血流も増えるため、子供の発達にも役立ちます。

あごを強くするためにいきなり硬いものを食べさせるのではなく、成長の段階に合った硬さの食事を作るように心がけましょう。

子供に合った幼児食で食に対する興味を持たせる

成長して自我が強くなっていくにしたがって、食べ物の好き嫌いが出てきます。

この時期に出てきた好き嫌いは放っておけば成長しても続くことがありますが、幼児食の時期の好き嫌いは調理の工夫で克服させることもできます。

味覚を発達させ、食に対する興味を持たせるためにも、大人と同じ食事ではなく子主に合った食事で、食材の味や食感を感じさせることが大切です。

幼児食で味覚のベースを作る

1歳~5歳は味覚を育てる時期だと言われています。

この時期から濃い味付けの料理に慣れてしまうと、味覚が正しく育たない可能性があります。

また、濃い味付けの料理ばかり食べさせていると、未発達な身体に負担をかけてしまう恐れもあり、将来的に肥満や生活習慣病に繋がることもあります。

離乳食が完了しても、しばらくは食材の味を活かした薄味の食事で味覚を育てていくことが大切です。

子供の発達と幼児食の変化

幼児食は、子供の発達によって進めていくようにしましょう。

1歳代

前歯が生えそろい、奥歯が生えはじめる時期です。

前歯でかじって食べ物をかみ切ることができますが、奥歯でかみ砕くことはできません。

前歯でかじりやすい大きさで、歯茎で押しつぶしやすい柔らかさの食事にしましょう。

とろみをつけたり、水分を多くしたりすると食べやすくなります。

2歳代

第1乳臼歯が生えそろい、第2乳臼歯が生えはじめる時期です。

奥歯を使って食べ物をかみ砕くことができるようになりますが、まだ大人ほど上手にすり潰すことができません。

練習を重ねることで上手になっていきます。

この時期から、柔らかいものだけではなく噛み応えのあるものを食事に加えるようにします。

食感の変化をつけて、噛む力を育てるようにしましょう。

食材はやや細かく切り、スプーンやフォークですくいやすい大きさや形を心がけましょう。

3歳~5歳代

3歳代になると、ほとんどの乳歯が生えそろいます。

奥歯で食べ物をかみ砕けるようになりますが、噛む力は大人の半分程度です。

大人のものよりも少し柔らかめの食事にしましょう。

弾力のある食材や、噛めば噛むほど味がでる食材などを取り入れて、よく噛むことを習慣づけるようにしましょう。

食材はいろいろな形や大きさに切り、さまざまな食感を体験させるようにしましょう。

幼児食と食育